2010年10月28日木曜日

新卒採用サイト作成について

10月も過ぎて今年も残り2か月を残すのみとなりました。

10月というと大学3年生の就職活動がスタートします。
スタートすると書くと語弊がありますが、正確にはリクナビ、マイナビなどの新卒採用情報サイトの会員登録がスタートするというのが正しいです。この10月のサイトのオープンを皮切りに、名古屋市内でも「業界研究」と称した新卒採用情報サイトが主催する就職セミナーが始まっているようです。

私は前職で新卒採用サイトの企画・提案をいくつかやらせていただきました。
ここでは新卒採用サイトを作る上でおさえておくポイントを書かせていただきます。

文系は人に共感し、理系は機械に共感する

文系の方は人をたくさん出すと評判が良いようです。逆に理系は機械とか、設備とか工場の様子などに興味を持つようです。あるメーカーで技術系職種の仕事の現場を撮影して職種紹介を作りました。理系の学生に自社の技術系職種を訴求するためです。理系の学生からの食いつきが良く、履歴書の志望動機が具体的になったそうです。

デザインと写真とコピーの使い方で企業ブランディングが決まる

学生は基本的に会社のことを知りません。
おそらく媒体で貴社の名前を見て、貴社のWebにアクセスして初めて貴社の印象が形成され始めると思います。採用サイトのブランディングのポイントは中身も大事ですが、デザインと写真とキャッチコピーに追ってできるといっても過言ではありません。自社のターゲットの学生と打ち出したい会社のカラーを明確にし、制作業者と打ち合わせをすることをお勧めします。

掲載する先輩社員は入社3年目以降が良い

掲載する先輩社員が自社の印象を形成してくれる場合もあります。
入社1~2年目の社員は若いので見ている学生から共感は得られると思いますが、こんな先輩になりたいとかはなかなか思ってもらえません。入社3年目以降の社員で仕事がある程度分かってきた社員(かつ入社したら3年後~にはこんな社員になって欲しいというモデルだとなお良い)を掲載し、仕事の面白さややりがいについて語ってもらうのが良いでしょう。あと、辛い話は多くていいです。学生さんに仕事は甘くないということも意識してもらったほうが良いです。当然、苦労して得られた仕事の報酬はなんなのかも紹介しましょう。社員紹介はよく見られるページなので自社の人間力を見せれるような、または数年後の彼らのような社員を採用することを意識した人選と内容を考えましょう。

先輩紹介の文章量と内容

通常、Webページのテキスト量は1ページあたり400文字以内が適当といわれます。これはWebだと実は文章は読まれにくいためです。先輩紹介の場合、一人当たり1,200文字程度でも良いと思います。これくらいの文量じゃないと内容が薄くなるということと、逆にこの程度の文章を読み切れない人は自社にたいしてやる気があるのかという点からです。
文章は専門のライターさんに頼むとインタビューもしてくれますし、学生向けの読みやすい文章に直してくれます。内容に関しては仕事のある部分にフォーカスした具体的な話題が良いでしょう。理系の学生に関してはその分野のマニアックな話題は受けがいいようです。

社内の様子は学生にとって新鮮

学生は会社のことを知りません。
今の学生は基本的に会社にネガティブな印象も持ち合わせています。それは物心ついたときにバブルが崩壊しており、父親・母親の疲れた背中を見ているからです。東海圏の企業は自動車関連企業を始め、会社の福利厚生、行事、部活動が盛んな会社が多いようです。自社の社員へのバックアップ体制や楽しい取り組みは学生にとって新鮮なはずです。楽しい会社というブランディングは、学生が貴社とライバル会社で内定を取得した場合、貴社を選んでもらえるポイントになるかもしれません。

会社説明会とリンクする内容を心がける

Webと会社説明会の内容に共通・一貫性を持たせより自社への理解度を深めます。
採用活動は当然ながらWebだけでは完結しません。採用媒体からの学生の「認知・流入」、自社採用サイトによる自社の「訴求」、会社説明会での自社への「理解」を深めるという流れがあります。この流れの中にある共通・一貫性を持たせると学生さんはより貴社に興味を持ち理解するでしょう。
例えば、採用サイトで紹介した先輩社員に説明会でも登場してもらい、学生さんに仕事紹介をしてもらったり、採用サイトで紹介したプロジェクトストーリーを元にグループディスカッションをしてもらい、より自社への理解を深めてもらったりとできることはたくさんあると思います。
人間は、知識から自分の経験に落とせれば、そのものに対する安心や信頼は格段に上がるはずです。バーチャルとリアルをリンクさせる工夫が、競合にない貴社のブランドを学生さんの中で育てる肥やしになるはずです。


採用活動も商品の販売と同じで自社のPRがポイントになります。
あるメーカーはストイックな理系の学生が欲しいということで、仕事の厳しさを前面に押し出したコンテンツを作りました。内容自体非常にクオリティが高いものでした。但し、中に載せていたのが人の写真と人間ドラマ的な文章ばかりだったので、あまり理系学生の食いつきは良くなかったそうです。理系の学生の場合、機械や設備の写真のほうが興味を持ってもらえ、人間ドラマ的な文章の中に理系的なマニアックな言葉や事象を加えたほうが引き付けられます。

新卒は採用したいが、欲しい学生は絞りたい場合。そのターゲットに合わせたコンテンツがますます求められるようになるはずです。

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