2010年11月1日月曜日

フラッシュマーケティングについて

50%OFF【1,980円】名駅徒歩5分≪3種類のスープから選べる極上国産モツ鍋コース全8品+デザート&飲み放題90分≫

!!

"50%OFF"というコピーに思わず見入ってしまいます。残念ながら皆さんが見られる頃には、このクーポンは購入できなくなっているかもしれませんが、非常にインパクトがある内容です。これは、グルーポンというアメリカ発のベンチャー企業が販売するクーポンチケットのコピーです。

今、このグルーポンと同じように50%~90%OFFという圧倒的な割引率で、購入期間などを限定したグルーポン系サイトが、続々できています。
今回は、このグルーポン系サイトの特徴を紹介いたします。


そもそも、グルーポンとは?Wikipediaによると、2008年に創業した米Grouponで使われているシステムのこと。共同購入型クーポンサイトのビジネスモデルの先駆けとなったシステムである。2010年に約1,300万人の会員数と推定年間利益が約43億円の売り上げを誇っている。 wikipedia グルーポン

このグルーポンのビジネス手法はグルーポン系サービスフラッシュマーケティングと呼ばれています。本文ではフラッシュマーケティングで統一させていただきます。

さて、このフラッシュマーケティングの主な特徴をまとめると…


1. 割引率の高さ

このクーポンの魅力は50%~97%OFFという割引率の高さ。最低でも50%OFFというのは非常にお得感を感じさせます。

2. 一日一件という時間制限

原則、一地域において一日(24時間)一枚販売されます。次の日になると別のクーポンが販売されます。

3. 共同購入・枚数限定

クーポンがある一定数の枚数が購入されないと、取引(販売)が成立しません。また、販売されるチケットの枚数には上限がある場合もあります。ちなみに購入されたクーポン一定数に達せず取引が成立しない場合
金額を請求されることはありません。

4. 売れ行き状況を表示し、ユーザーの購入を促す仕組み

Web上には「今回の販売数は200枚!残り○○枚!」とか「販売終了まであと○時間○○分!」というカウントダウンが表示されていて、ユーザーの買う気を盛り上げるように工夫されている場合が多いです。

5. クレジットカードの決済が主流

クーポンは販売期間に、クレジットカードを使って購入します。購入後、購入番号などが明示されたクーポンをプリントアウトしてお店へ持っていきます。

6. クーポンの有効期間が決まっている

購入したクーポンは有効期限が決まっているので注意が必要です。多くは購入後、1~3か月程度が多いようです。

7. 実店舗中心

フラッシュマーケティングを導入している店舗は、飲食店、エステや美容院など実店舗が中心です。私が見た中では「てもみん」が50%で利用できたり、スーツを購入できるサイトもありました。本場、アメリカグルーポンではヘリコプターのレッスン体験というのもあったらしいです。


仕組み自体見てみると新しいテクノロジーはなく、実はシステム自体も100万円あれば組めるという話しもあります。クレジットカードの決済も決済会社を使えばいいですし。

このサービスが一気に成長した背景の一つにスマートフォンとツイッターの普及があります。
クーポン自体が、「50%OFF」など非常にインパクトがあるのと、ある程度の枚数のクーポンを成立しないため、お得な情報を周りの人に紹介したい善意とクーポンを買いたい人の欲求が周りの人に購入を促すわけです。簡単に知らせる方法としてはクーポンが表示されているページやフラッシュマーケティングが発信するツイッターアカウントのツイートを、ツイッターを使って転送(RT)します。このインパクトがクーポンの情報を1人がRTすると、その人のフォローワーの何人かはRTする。無尽蔵に広がるわけです。

スマートフォン×ツイッター(ソーシャルメディア)は情報を伝播させバズを引き起こします。
フラッシュマーケティングはこのスマートフォン×ツイッター(ソーシャルメディア)が起こした風に乗ったサービスだったと言えます。このフラッシュマーケティングだけでなく、スマートフォン×ツイッターの風に乗るサービスを作れれば一攫千金も夢ではないかもしれません。

ちなみにこのフラッシュマーケティング導入のメリットですが、お店としてのメリットはあるのでしょうか?

お店のメリット
・お店の名前、サービスをお客様に知ってもらえる
・新しいサービスのテストマーケティングが行える
・新規顧客の獲得
・客足が少ない時期・時間帯の販促に利用できる(クーポンに利用時間などを指定できれば)

実際、アメリカのグルーポンを利用した顧客の97%は、そのお店をもう一度利用したいと答えているそうです。(東洋経済「ネット新金脈」 10/9)

このため、日本でもこのフラッシュマーケティングサービスを始める会社は急速に増えています。
4月にピクメディアがPikuを開始したことを皮切りに、8月には40社、10月時点で100社とも120社ともいわれる会社が、サービスの展開を始めているそうです。アメリカのグルーポンも8月にクーポッドを買収し、グルーポンジャパンとしました。グルーポンジャパンは渋谷の新築オフィスに居を定め、20名前後の社員を700名に増員し、東京を中心とした全国に営業をかけ始めています。これに対し、国内勢ではホットペッパーを有するリクルートが8月からポンパレードを開始し、11月から広告費4億円をかけてTV-CMなどで反撃を開始。圧倒的な認知力と営業力で、グルーポンを迎え撃ちます。また、口コミで高い支持率を誇る食べログも食べログチケットを始めており今後の展開が期待されます。

現状、これらのフラッシュマーケティングは一般人の認知度はあまり高くありません。
ネットマイルの8月の時点の調査(サンプル全国男女2万人)によるとフラッシュマーケティングのサイトに登録している人は3.6%だったとか。出典:グルーポンに登録している人は3.6%、どんなサービスを利用した?

東京都内の友人に聞いてもサービス自体知らない人が多く、10人聞いて1人しか知らなかったという話しもあります。
これもリクルートによるTV-CMなどの広告によって一気に広まり利用者も多くなるのではないかという見方もあります。今に時点でもグルーポン、ポンパレードも名古屋でも期間内に完売するチケットも出てきているので年末にブレイクするのではないかと思われます。
ちなみに名古屋でもローカルサービスが1つ立ち上がっており、もう2つほど立ち上げ準備をしているという話しもあります。

日本でのツイッター人口1,100万人、3G電話機の高い普及率、そして急速にシェアを伸ばすスマートフォン。フラッシュマーケティングが国内に広がる土壌は完成しつつあります。

、、、と。

フラッシュマーケティング、サービスの特徴やメリットを中心に書きましたが、実は良いことばかりではなく、問題点も徐々に出始めているようです。次回はその問題点を中心に書きたいと思います。

2 件のコメント:

  1. @kiyotchiです。拝見しました。

    どこのデータだか忘れましたが、グルーポン系のサイトのユーザーも、他のサービスと違う点が面白かったです。

    若いユーザーに偏ってるのかなと思ったら、50代男性も上位にいたりするんですよね。(宴会でまとめて何人か、使えば、数も集まるし、安いし。なるほどという感っじでした)

    これまでの普及段階では、「とりあえず集めろ」というスタンスで、すぐに飽和な業界になるのかなと思いましたが、案の定大手の参入で、飽和に近い形になりました。

    が、美容(エステ)専用グルーポン系サイトや、ヲタク専用グルーポン系サイトなども登場しているようで、派生型の収益モデルも生まれていきそう(いかにも日本的)で、その点には、注目したいところですね。

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  2. ありがとうございます。
    50代の男性も上位にいるんですね。そのサイト見てみたいです。このサービスの普及のポイントはスマートフォン×ツイッターだと思っています。iPhoneを持っている方の平均年齢は約40歳という記事も見たことがあるので、50代でフラッシュマーケティングのサイトを使っている人はiPhoneユーザーが多いかもしれません。

    あと、ヲタク専用グルーポン系サイトとか興味深いですね。日本特有の展開にも注目です。

    新しい分野なので自分も継続的に勉強していきたいと思います。今後とも教えてください。よろしくお願いいたします

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